今回は辛口で。 一番気になったのは堕胎の話。 母親の身体が出産の負担に耐えれない…といったような、どうしようもない状況ではなく、ただ彼氏と無計画にできてしまった赤ちゃんを勝手な都合で堕胎させるという話。 しかも、読経をしながら。 あまり宗教などには詳しくはありませんが、確か仏教では堕胎は不殺生戒に触れているはず。 特にこの話は話の序盤に出てくるので、読者としては「垢すり屋」というものにまだ信用もなく読んでいる状況。 そんな序盤で堕胎。しかも依頼人の栗原さんは「堕胎してくれるの?嬉しい!」とまで。 読み手としてはもう怪しさと不信感と不快感しか残りません。 そんな不信感を残してまで堕胎の話を入れたのは「もしかして赤ちゃんの怨念とかで、これからホラー的な展開が?」と期待して読み進めましたが、結局は手に赤い染みができて、昼まで読経したらあっけなく終了。 その後、病気になった母に「私、知り合いの子堕胎はしたの。あ、これは内緒ね!」と言っちゃう軽さ。 いくら「罪悪感あるよ、泣いたよ」と言われても説得力もありません。 そして、この小説の一番のダメだしはその軽さです。 堕胎の倫理観は別にしても、全体的に流れが軽いです。 周り全員が「ひかるすごい!」と褒め称え、刀も大学も自分のお店もトントン拍子に手に入れます。 ひかるにとって壁となりそうなもの(母の反対や、記者など)もあっさり引き下がってしまいます。 そして、「すごいから施術成功するよね。多分無事にハッピーエンド」という展開まで見えてきてしまいます。 そして、見えた通りの“ひかるはすごいから”で収められるハッピーエンドの話たち。 でもきっとこれはかめさんの人柄の良さのせいだと思います。いい人がにじみ出てきてしまっています。 人間の闇を書く、というのなら病気(堕胎以外の大きな施術として出てきたのは病気)ではなくもっと人間くさいエグイモノを浄化してほしかった。 ホラーを書く、というのなら浄化された魂や病原から怨念を受けてもよかった。 とも思います。 さて、ここまで辛口で書きましたが、個人的には「垢すり屋」という設定は面白かったと思います。 「ひかるすごい→問題解決」という流れはドラマのドクターXのような定番の安心感も。 かめさんならもっと人間を深く掘り下げた作品が書けると思います。期待をこめて辛口に。
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かめの作品を、掘り下げて読んでの感想有難うございます! あんにゃさんの仰る通りの部分、多々有ると思います ホラーと云うカテゴリには、当てはまらない陳腐な展開なのも、承知してます テレビドラマによくある、異能力者のハッピーエンド作品 単なるエンターテイメント作品です 真面目に宗教を学んでいる方には、耐えられない作品かも? しかし、古今東西を問わず宗教とは、自分に都合よく、解釈され広まっていった事実が有ります まあ、そこまで宗教を掘り下げて書いた訳では、有りませんが しかし、あんにゃさんのコメント、真摯に受け止めます! 次は、本当の闇を書いてみたい気持ちになりましたから 有難う
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かめさん、こんばんは~。 本当は「褒めるべきところは褒めたい!辛口に書いたけど良いところは良い!」ともう少し長めのレビュー書いてたんですが1000字オーバーで(T-T) その結果、褒めたい部分をほぼほぼカットするというドエスレビューに(笑)きっとかめさんドエムだから嬉しいはず!(ぉぃ) でも、かめさんなら絶対にもっともっと深い闇を書けると思うんです。 もっとかめさんの面白い作品が読みたいです。 なので、次回もめっちゃ期待して読みますね(==)ふふふ あと、個人的には闇の前に、心温かくなるようなものも読みたいです。 お願いしますねー!!(期待の目。)

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