藤白 圭

まだまだ序盤の今作品。 タイトルや概要からその内容はおおよそ想像出来るものであろう。 だが侮るなかれ。 ある地域にだけ伝わる伝承。 そして、それを未だに信じ続ける狂った村。 もう、それだけでも恐怖だというのに、「自喰村」というタイトル通り、あるルールにのっとり、「生贄」は自らの一部を食わなくてはいけないのだ。 他人の肉を喰らうことは、ある意味造作もないこと。 だが、「自分の肉を喰らう」という禁忌ほど、心身共にダメージを与える行為はないであろう。 しかも。 ルールにのっとり、喰わなければ……更なる悲劇がその身を襲う。 読んでいるだけで、痛々しく、そして、読んでいる人間が鬱になるほどの衝撃。 序盤でコレなのだから、きっと作者は人間の「極限」というものを表現したいのではなかろうか。 この物語の奥深くに潜む、歪み澱んだ暗い闇を最後まで見届けたい。 ホラーファンであれば、強烈に惹きつけられます。
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