津木野 由芽

 目が潤んでいた。  ここにわたしとおなじ気持ちをもちながら文章と向きあい、綴っているひとがいるのだと、それを理解したとき、わたしの目は潤んでいた。涙はこぼれなかった。涙をこぼすにはまだはやい、と思った。わたしはおそらく、このひとほどに書くことに真摯ではない。読むことに誠実ではない。この一方的な共感は、まだ芽吹いたばかりの植物のように、ちいさな、けれどもたしかな静けさをもって、わたしのなかにある。  とくに「ミロのヴィーナス」のくだりは、深く頷いてしまった。ほんとうにそうだ、と思わず口に出していた。わたしもおなじ気持ちです。腕が欠けていてもなお、美しいもの。そういうものを、わたしも書きたい。「美しさ」のまえに意味などなく、それを綴った作者でさえ透明になってしまうような、そんないにしえの吟遊詩人が謳った物語のようなものがたりを。ずっとそう思ってきた。共感は得られなかった。でもこのひとならばわたしがそう感じていることを、けっして嗤ったりはしない。そう思った。  とにかく文章を書くひとは、一度このエッセイに目をとおしてほしい。心からそう感じました。  このひとの綴った物語を読みたいと思った。読まなければ、かならず読ませていただこうと。  レビューのお話は耳に痛いけれども、わたしがあなたに捧げるこの五つの星は、心からの評価です。 *  はじめまして。津木野由芽といいます。  エッセイのイベントをきっかけに読ませていただいたのですが、ほんとうに出逢えてよかったと思います。感謝いたします。それとともにストイックなその姿勢に尊敬を感じてしまいました。
このエッセイ初のレビュー、ありがとうございます! 小説よりも、多くの読者、コメントに恵まれているこのエッセイですが、レビューなかったのですごく嬉しいです! たぶん、このレビューを読む限りの由芽さんの
素子さん。こんにちは。 わたしには「書くこと」に対する覚悟が足りていないこと。自分でもよく考えるそのことを、このエッセイは教えてくれているような気がしました。これは「覚悟」を決めたひとの文章だなと、

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