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作家として、あるいは、読者に向けて。
津木野 由芽
2017/4/4 15:47
目が潤んでいた。 ここにわたしとおなじ気持ちをもちながら文章と向きあい、綴っているひとがいるのだと、それを理解したとき、わたしの目は潤んでいた。涙はこぼれなかった。涙をこぼすにはまだはやい、と思った。わたしはおそらく、このひとほどに書くことに真摯ではない。読むことに誠実ではない。この一方的な共感は、まだ芽吹いたばかりの植物のように、ちいさな、けれどもたしかな静けさをもって、わたしのなかにある。 とくに「ミロのヴィーナス」のくだりは、深く頷いてしまった。ほんとうにそうだ、と思わず口に出していた。わたしもおなじ気持ちです。腕が欠けていてもなお、美しいもの。そういうものを、わたしも書きたい。「美しさ」のまえに意味などなく、それを綴った作者でさえ透明になってしまうような、そんないにしえの吟遊詩人が謳った物語のようなものがたりを。ずっとそう思ってきた。共感は得られなかった。でもこのひとならばわたしがそう感じていることを、けっして嗤ったりはしない。そう思った。 とにかく文章を書くひとは、一度このエッセイに目をとおしてほしい。心からそう感じました。 このひとの綴った物語を読みたいと思った。読まなければ、かならず読ませていただこうと。 レビューのお話は耳に痛いけれども、わたしがあなたに捧げるこの五つの星は、心からの評価です。 * はじめまして。津木野由芽といいます。 エッセイのイベントをきっかけに読ませていただいたのですが、ほんとうに出逢えてよかったと思います。感謝いたします。それとともにストイックなその姿勢に尊敬を感じてしまいました。
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早川素子、雨宿りのための物語を書こう。
4/5 8:21
このエッセイ初のレビュー、ありがとうございます! 小説よりも、多くの読者、コメントに恵まれているこのエッセイですが、レビューなかったのですごく嬉しいです! たぶん、このレビューを読む限りの由芽さんの
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津木野 由芽
4/5 11:38
素子さん。こんにちは。 わたしには「書くこと」に対する覚悟が足りていないこと。自分でもよく考えるそのことを、このエッセイは教えてくれているような気がしました。これは「覚悟」を決めたひとの文章だなと、
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