あおい 千隼

レビュー失礼致します。 ある雨の日の出来事。 主人公は大切な者を喪い、自暴自棄にまかせサバイバルナイフを手に入れる。 失うものなどないと、絶望と虚無感に操られるまま、そのひとは過ちを犯します。 ふたり幸せになろうと貯めた資金は、奇しくも他の者が今生で幸せを紡ぐはずの時を奪う、葬送紙幣となってしまいました。 中盤まで読み進み感じたこと。 主人公のとった行動に、もっと他に道はなかったのかと、無念に思えてなりません。 ある位置まで溜まった負の感情は、1度溢れると堰を切ったように、もう止めることはできないのでしょうか。 主人公により摘まれた命。 紅血ひろがる氾濫のなか、歩を進める彼に声をかける者。 家を脱け出しやって来た少女と、主人公による細やかなバースデー。 悲しみと哀しみが共鳴し、引き合わせた邂逅でした。 野外では赤い光が拡散し、主人公を懺悔の道へと誘う渡し守が…… 救いのない悲しいお話ですが、主人公と少女が囲むケーキのともしびに、希望を見出だしたいと願って巳まない、そんな終焉でございました。 有り難うございました。

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