津木野 由芽

涙がとまらなかった。 平岡あみさんという歌人の歌にこんなものがあります。 「女子でやるサッカーの試合ごめんねが飛び交うばかりで男になりたい」 どうして女に生まれてしまったのだろうというのは、女として生まれた者なら一度は自分の胸に問いかけたことがある疑問なのではないかと、わたしは思う。 女は女に生まれるのではなく、女に「なる」ことを義務づけられている。 どんな少女も、いつかは時間によって殺される。その「死」の瞬間のあわいが、もっとも輝く季節に、女の子は奇跡のような少女時代をかけて、駆けて、翔けて、高跳びのバーを跳躍するように、こちらからあちらへと、時間と空間を跳躍する。そのさきには、「女」であることを受けいれた少女だけが知る世界。 通過儀礼を無事に執行し、これからもこの世界で生きていこうと、決意した少女だけが知る世界。これはひとつのイニシエーションの物語。そしてけっして忘れることができない初恋のお話。 * 素晴らしかったです。ほんとうに胸がいっぱいになりました。 このような物語を読むことができて、とても幸せです。 よけいなお世話ながら。 31ページ目、「(あれ? そういえば部活意外で」のところに誤字があると思われます。

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