月弓 ゆえ

ジャンマルコ氏の描く不思議かつ現実的な世界にうっとりしながら、最後のレビューをさせていただきます。 かの有名な哲学的ストーリーを見事に自らの世界に巻き込み、おそらく現実とそのいくつかを重ね綴られる純愛。 冒頭はまるで自分が星空を堪能しているかのごとく、ふわふわと夢ごこちに引き込まれます。 「今すぐに会って、彼に全てを打ち明けてしまいたい。」 大切な事は数回繰り返し、裏切らないお約束で読者の笑みを誘います。 「ただ彼に会いたいと、その列車に乗り込んだ。」 乗り込むのは青いパンプス。それは幻想の腕の見せ所。 物語の核である不思議を表現するのに、作者さまの手腕を感じます。 ここからは急展開が待っています。 気付けば呆れ顔になるご自身を楽しんでください。 そして、ラストシーン。 ハッピーとは程遠い現実でありながら心に残るのは小さな達成感。 何かと引き換えに彼女が手に入れた大切なものとは…? さらっと、スラっと読み進め、どどんと胸を打たれてください。 ジャンマルコさま。 ご迷惑でしょうけれどやっときます。 区切りがつきませんので、自己都合で。
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