羽田伊織

かなれさん。佳作おめでとうございます。 いそいそと拝読させていただきました。軽快な口調で進んでいくお話しで 一気に読むことができました。しかし、扱う題材はリアルであり、 いまでも偏見を持たれるデリケートなものです。それを「佐宗さん」を中心にし、 主人公である江藤さんと、井上さん、黒田さんが「恐れる」ことを「そうではないこともあるんだよ」 と伝えていくことで、高宮先生のしてきた尊いことが伝わります。 江藤さんも、10年ものの恋心を抱きつつ、それよりも、佐宗さんの心を汲み取る 切なさが伝わってきました。「イイオトコとイイオンナなんだなぁ」と。 高宮先生は、きっと教え子を自分の人生の傍らに置く事はないのでしょう。 それを江藤さんも、皆も気づいている。でも「人だから割り切れないんだよね」 そんなふうに思うのだと感じます。 大人とは、そういう諦めと、それを優しく思い出とし、心に留め置けるのだと 知らされたような作品でした。ありがとうございました。
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