神山 流衣

本来、完結されていない作品へ評価を贈るのは不躾な気もする。今夜こそ僭越ながらの意を噛み締める夜はないであろう。 私は暫し食べ物を口に運ぶという生の象徴を忘れ何時間か物語の中をたゆたっていたようだ。 私は詩書きだからとか苦しい言い訳はしたくはないが、この作品の魅力を伝えなければ。 この小説を見つけた時に受けた衝撃を形容する言葉が思いつかない。真昼に輝く黄金の月?落下をしながらも燃え尽きない流星?分からない、分からないから読み進めた。 茉莉花もこう言っている。 「わからない。赤はあたしにとって積極的に好ましい色でもないし。でもわからないからこわいのかもしれないわ」 凄まじい光を放っていて畏怖を覚えた。そして自分の詩作品全て燃やしたくなるような羞恥心にかられる。 まだ詩に触れ合っていなかった頃にアン・ライスの夜明けのヴァンパイアを夢中で読み耽った若い自分を思い出す。比較ではなく・・・・・・この「蝶のうたたね」が比喩でもなく・・・・・・それに代わりバイブルになる予感。 星、花、神話、著者の語彙と前述したあらゆる教養が散りばめられたこの作品は宇宙だ。 リメンバー・ミー リフレインされる呪文、翔。 著者が私にあなたの言葉がわたしに羽ばたいてくださるときを、お待ちしております。こう仰ってくれたのは何故だろうと不思議な気持ちが腑に落ちる。 物語をたゆたっていた時に、ここは日本?と感じていたのはヘッドホンから流れるフランス・ピアノ名曲集の悪戯ではなく、文章の気品さからであろう。 読み続けて四季の美しさを感じ取り、また日本だと安堵する。 「茉莉ったら、またなにかむつかしいこと考えているんでしょう・・・・・・いつか自分の頭の中の暗闇に落っこちちゃうわよ」 沙羅の名言を引用して、どうぞこの物語の深淵なる光とも闇ともつかぬ不思議な青春物語に皆さん落っこちちゃってくだされ。 そうそう、更新部分の共犯と接吻。私はこの作品に恋をしてしまったので責任をとられてくださいね。 夢が少しづつ現実にむかっていく様を憧れの目で拝読し続けます。
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流衣さん。あなたがわたしにむけて言葉を羽ばたかせてくれたこと、とても嬉しく思います。それはブーケのように空に高く舞いあがった言葉の花束で、わたしの手のなかにやさしく落ちてきました。とても芳しい香りの花束。 この『蝶のうたた寝』は、わたしの実体験をもとに綴った小説です。登場人物にはみな、それぞれモデルがいます。わたしの少女時代を鎮静するために、わたしはこれを書きました。おととしの冬から今年の春にかけて、わたしはわたしの時間を、この小説を綴ることに捧げました。 わたしが小説のなかで書きたいものは「少女」です。わたしの主題は神殺しの少女のお話なんです。突然こんなことをいって、あなたを戸惑わせてし
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由芽さん、こんばんは。 いやいや貴重なバックボーンをお話ししてくださり感謝です。 神殺しの意。物語の行く末、固唾をのんで、時には正座して拝読しますね。 全貌を見せてくだされない由芽さんに興味と好奇心が迸るから抑えるのに必死です。 好きな邦楽とかあれば知りたいですね。生活のことエッセイにされても読者は面白いのではないですかね。もちろん、全てを明かす必要なんてないんです。 こちらも聞き流す程度にお納めくだされ。
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