笹霜(隠居)

物体や金銭に留まらず、実体を持たない才能や概念、感情さえも半分にする意味を問いかける秀作。 『半分になったら半端ではないのか』という問いかけの答も一種の形で示されている。 そして何よりも、『半割されたら意味を成さない感情、孤独感』について。 人間は誰かと決して感情を共有出来ないからこそ、IFでの問いかけはその孤独感という概念を浮き彫りにする。半分にされたら意味がない、すなわち一人で背負うからこそ孤独があり、人間はココから逃れることは出来ない。結局、『半分こできない』からこそ成立する感情であるということは、ここに否応のない妙な現実感、リアリティを示してくる。 孤独感も人間を構成する感情の一つだと考えると、これは真に夢物語で、あくまでお伽噺である、という自覚を読者に与えてくるように思う。 これが『決して成立しない物語』としてどこか一抹の寂しさのようなものを感じさせるのではないかと思う。
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何だか私よりもこの小説をわかってくれているような気がします……。 深く読み込んでくれてありがとうございます! 結構気に入っているので嬉しいです。
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いやいや滅相もないw こちらこそ良いものを読ませて頂いて、久々に考えさせられる良作に出逢えて僥倖です。
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