津木野 由芽

 なぜでしょう。濃密な不在のにおいがします。それはオゾンのような不在です。  こんなふうに感じるのは、わたしだけなのでしょうか。  はじめましてのご挨拶を、こんな不躾な言葉ではじめる無作法なわたしを、どうぞおゆるしください。  あなたの詩から、わたしは存在していたものが飛びたっていった、その羽のかけらのようなものを視ます。それはたとえば、恋人が去った明け方のベッドの窪みのように、たしかな形跡をのこす不在。雛だった鳥たちが美しい翼のそろったその両腕で空に飛翔したあとの、巣のような不在。  それはまだ「存在」していたものたちの温もりの名残をのこしている。けれどもその温度が少しずつ失われ、冷たくなってしまうそのまえに文字にして刻んだ。そんな気配を感じ、勝手ながら、わたしのなかの「不在」にも訴えてくるものがありました。  それはけっして声高な主張ではない。  囁きに似ている。耳を澄まさなければ、聴こえない声のように。  だからその「存在」を聴きとろうと、目を閉じて声に耳を傾ける。  あなたのなかに、そしてわたしのなかに刻みつけられた「不在」を聴きたくて。  わたしは感覚的にしか文章を綴ることができません。  それゆえにわたしがこの作品におさめられた詩から「聴きとった」ことを率直に指が動くままに書かせていただきました。しかしなにかお気に障られることがありましたら、申し訳ありません、とさきに謝っておきます。  またお邪魔させていただきます。
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津木野由芽さん、はじめまして。レビューをいただき、ありがとうございます。 あまりにも美しいレビューに、恐縮の限りです。 いただいたお言葉に見合うようなお返事ができず申し訳ないのですが、私の詩から何かを感じとってくださり、それをこのような形で残していただいたこと、何よりも嬉しく思います。 私の詩に向き合ってくださり、ありがとうございます。 素敵な出会いに感謝しながら、これからもどうぞ、よろしくお願いいたします(*ov.v)o
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