僭越ながらレビューさせて頂きます。 涙が止まりません。今年見た小説の中で、一番泣けました。読み進める度に、気が付くと何度も何度も涙が頬を伝っていました。 冒頭の展開は、そんな事を微塵も感じさせません。悪ふざけが続き、人生を楽しむ展開へと繋がるのかな? そう感じながら面白おかしく見ていた自分がいます。 しかし、中盤からは急展開を迎えます。 アキの男を見せる強さと優しさ、おばあちゃんの底抜けの愛情と手紙、エミの優しさが伝わっていた会社での退職場面……他にも数え切れない程の感動が私を支配して行きます。 ここぞという感動場面がある作品は多いですが、こんなにもずっと泣ける作品は出会えることがありません。いつしかエミの気持ちになって、胸が締め付けられる思いを味わっていました。それは、優しかったり、つらかったりと…… 構成が抜群に凄いです。大胆かつ繊細な表現、最後に繋がる幾つもの散りばめられた伏線。一つ一つのピースが重厚な彩を持っています。さらにテンポも良くて読みやすく、引っ掛かりや煩わしさも無く、感情移入しながら読み進める事が出来ます。 なんでこんなにも、アキやエミばかりに辛い試練が訪れるんだよ! 声を出してしまう時もありました。それくらい、物語の奥深くに入り込んだのです。惹き込まれたのです。 ラストの二つの命が散る場面では涙腺が崩壊し、十年後の小説が世に認められた日には震えが走りました。本当に、最後まで感動を与えてくれます。 作者様は多くの賞を獲得し、色々なイベントで評価されています。 その理由がハッキリと分かる素晴らしい作品。 私なんぞが偉そうなことを言える立場ではありませんが、もう一度気持ちを込めて言います。 最高に泣け、最高に感動を与えてくれる、プロの作品です!
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ただただ、ありがとうございますm(_ _)m

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