あおい 千隼

レビュー失礼致します。 ライフゲーム1作目のつづき。 ただひとりの生存者。 戸惑い。怖れ。憎しみ。苦しみ。 様々な苦悩を体験し、主人公たちは力を併せ、そして――― 友情。淡恋。 共に生き抜いてきた者だけが分かち合える、強いきずなと確固たる信念。 それは力を併せて助け合い、生き抜こうとする信念でした。けれども――― 今回のお話は、仲間たちへの追憶と弔い。 助かっても尚、主人公を苛み苦しめる、心と体に受けた傷。 最後の瞬間、あのとき、あの場で、行動していればと、死よりも辛い現実が、今日も主人公を苦しめるのでした。 閉じ込められた空間で育んだ友情。 友より譲り受けた正義感は、主人公に息づいています。 そんな主人公が決心し取った行動は、非常に崇高な行いであると同時に、遺族たちに感謝と悲しみを授けます。 このくだりは読んでいて、特に辛かったです。 それでも最後まで貫いた主人公に、よく頑張ったねと声をかけたくなりました。 後半から終幕にかけては、主人公の友達がまた…… ああと目を背けたくなる描写に、けれどもページをめくらせる手を休める隙を与えません。 黒い封筒が届くと、もうあの場からは逃れられない。 なんとも理不尽で、狂気的な犯人の声明。 主人公はまたゲームに戻ってゆく――― シリーズを通して、手に汗握る場面が多く、とても怖くてそれ以上に面白い。 素晴らしいお話です。 つぎのお話で終焉……楽しみです。 有り難うございました。
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