藤白 圭

愛を求め。 けれど、自分の望む理想の愛を見つけられることはなく、刹那的に。 そして、淡々と「当たり前」の日常を生きる男に突きつけられた余命宣告。 彼はきっと、色々なしがらみが面倒くさく、色々なことから目を背け、嫌な部分から逃げて来たように感じるのは、「生きる為の治療」が「苦しい」からと、治療をやめたところからも伺える。 でも、彼が治療をやめたのは、もしかしたら、「生きる目標」や「目的」がなかったからなのかもしれない。 余命の残り半分。 そこで彼は自分に残された時間を若かりし頃、情熱を費やしたキャンパスへと向き合おうとする。 きっと、ここから、彼が本当の意味での「生と死」に向き合う時間なのかもしれないと感じました。 重々しいテーマが練り込まれた大人な作品。 重厚かつ考えさせられる物語で、彼がこれからの日々をどう過ごし、どう変わりゆくのか気になりました。 作者様の描かれる物語は濃厚で、ズシンと心に響く。 相変わらず、グッと胸を掴まれる表現に唸らされました。
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レビューありがとうございます。 タイトルが思いついて、書きたくなって書いたのですが、もう少し掘り下げてもいいかなとも思っていて。 素敵な言葉で綴っていただいて嬉しかったです。
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紫倉さん、こんばんわです! いつも、深いところまで描かれますよね……心理描写や情景描写とか。 めっちゃ勉強になります。 自分も身近な人が癌で闘病し、亡くなっているので、彼が抗がん剤で苦しむ姿は当時のことを思い出し、胸が痛くなりました。 緩和ケアで安らかに寿命をまっとうしながら、残された時間をどう使うか。 ハードなテーマを扱われている点にも、感服しました。
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