この作品を一言で表すのなら、シュールラブコメと言ったところでしょうか。 ところどころに挟まれる提灯ジョークはとても皮肉が効いていて面白く、提灯の豆知識なども織り交ぜられてあって意外にも(と言うと失礼になるのかな?)勉強にもなりました。 「スーツを着た提灯が立っていた」という一文を文章を冒頭で見たとき、序盤からブッこんできたな、と最初は思っていたのですが、佳境ではその「スーツを着た提灯」が思わぬ伏線だったことに気が付き、息を呑む展開でした。提灯とディープキスなんてしたら火傷するだろ、と思っていましたが、そこで漸くその疑問が解消されました。 終始ラブコメかと思いきや、最後に一気にくる怒涛の巻き返しは、さながら10年来の親友が「俺、実は異世界から来たんだ」と告白して来たような舌を巻く場面でした。 総合的に見て、非常に面白い作品でありました。私も『灯を見失わないように』生きていきたいと感じます。 (★)
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