【コメント】

ピルグリム【巡礼者】

「海に潜って」と幼い頃から何度も聞こえていた声により、海に足を踏み入れたケンタ。意識を失ったケンタが辿り着いた先は、1万年前に一夜にして海底へと沈んだ帝国、アトランティスであった。心の片隅でずっと追い求めていた少女、「チヒロ」がケンタのもとに現れ、忘れられていた記憶を取り戻してゆく…… しかし「アトランティスに滞在できる期間は1週間である」というティルの言葉の通り、2人は再び引き裂かれてしまう。チヒロを奪わないで、と神に願うケンタの心情にとても共感し、胸が締め付けられる思いでした。無慈悲な運命がとても切なくて、悲しくて…… しかし、胸の中に温かな余韻が残る結末でした。 3作品とも個性溢れる文章や、作り込まれた世界観で、読み比べるのがとても面白かったです。素敵なお話をありがとうございました。

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