猫熊太郎

   面白かった! 相変わらずのクオリティ!  後半からは、やはり一気読みです!  今作でも、蘭さんという存在を軸に――引き鉄に、事件が巻き起こります。ほんともう、「業が深い」という言葉は、彼の為に用意されてるのかってぐらい。  蘭さんは、前世で余程の事をしでかしたのか……一度ガチでお祓いしてもらった方がいいかも(笑)  ミステリー(殺人)が題材なので、その背景が重苦しくなってしまうのは仕方のない話ですが、  今作は、何と言うか胸にくるというか、只管に切なく遣る瀬無い余韻が後を曳きます……。  あくまで個人的に、『贖罪』という言葉が、作中にずっと付き回ってたイメーシ。  真犯人の目的も『復讐』であり、そういった部分の悲愴さが、ドラマをより盛り上げているのかなと。  ただ、だからこそ猛やかーくんや三村たちのその屈託の無さが対比され、際立っているのでしょう。  内容の方は、それ以上にトリックの配置が見事で、読んでいて飽きさせない工夫が随所にあり、やはりそういう下地の強さが素晴らしい。  ワープだの何だのにしっかり解明され、そして”八波”が実は二人いたというラストの展開――  思わず、「そうきたかぁ」とウンウン頷いてしまいました。  出ずっぱりだった桜井や、あからさまに臭い蘭の兄ではないだろうと読んでいましたが、犯人はまた別の”兄”であった訳ですね。    全体として読んだ場合の難点を一つ挙げておくと、  蘭と園山が入れ替わった後の描写がくどい――と言うよりは、ちょっと丁寧すぎなのが問題。  まぶたの形、ミャーコの反応、キャベツの芯等々、  すごく親切に描写をしてますが、この点はもっと控え目に描いた方が良かった。  というのもこれだけ重複させると、あからさまであるのにかーくんまるで気付いてないという点が際立って見えるのです。  これだと、かーくん白痴説が浮上してしまいます(笑)  初めの方は『蘭の顔の火傷』という事実に動揺していると強引に解釈できても、  一緒に生活していく中では、「大事な友達なんだから、さすがに気付いてあげてよかーくん…」――な具合です。  大きなポイントである分、入れ替わりの事実をもうちょっと忍ばせるように表現できるとさらに質が上昇する筈。  とは言え、この総じて高いレベル。やはり商業誌に掲載されていてもおかしくない。  もっともっと評価されて然るべき!
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熱いレビュー、ありがとうございます( ̄^ ̄)ゞ そうなんですよね。カマキリはテーマが重いんで、軽く読みたい人向けではないんですよね。そこが弱点でもあって、シリーズの他作品にくらべて、閲覧数半分ですしね。 ただ、アントリオンを書いてて、蘭さんのこの部分は、どうしても、うやむやにはできないところだなと思ってたので、深く掘り下げてみました。 あははw かーくん白痴説……_| ̄|○ うん。リアでも、どっか抜けてるんですよ。 ふだんは、けっこう、しっかりしてるつもりなんだけど、たま~に、自分でも自分のことを「バカじゃないのか!」って、あきれるくらい、ものすごいポカをすることがあって……。 今
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こんばんわーい。 こっちは二三時間前までは、すごい風雨でしたが、通り過ぎたのかもう穏やか。 基本、滋賀は山に囲まれてる上、中心に琵琶湖があるので、風害水害には強いそうで。 実際、雨が入ってくるまで網戸にして寝てたくらいです(笑) 『夢見るカマキリ』面白かったですぜー。 後半一気読みは逃れられぬ宿命か…? ミステリーというジャンルは、本当にその匙加減というのか、バランスが最重要だそうですね。 ぶっちゃけ自分はミステリーは読むだけ派なんですが、細部を突き詰めて考え出すと果てがないんですよねえ。 人によって、許容できる部分と、ここダメなら全部ダメってなる部分もあるそうですし。 まぶたの形
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