藤白 圭

普段はかなりエグい、ダークな世界を描いている作者様の中で、後味の優しいファンタジー童話シリーズ。 シロの存在とあめさんのイラストが、子供も大人も惹き付ける物語で、人間の身勝手さや、理不尽さ、そして心の葛藤に出会いと別れ。 更には古からの言伝えや自然といったものを織り混ぜながら、人が成長する貴重なタイミングを描かれてあり、童話というよりも、むしろ、唱導に近いお話のようにも感じました。 大人になると、頭が堅くなり、起こったことに対し、見えている部分でしか物事を考えなくなってしまうことが多々あるけれど、地蔵の頭が取れた理由も。 森が焼けた理由も。 死者が出なかった理由も。 子供の視点、子供の声を聞き、身近にある自然や守神の恩恵を肌で感じることで、全てが違って見えるのに……と、悔しく思ったりもしましたが、最後にはある種の友情の芽生えと、シロとの別れのシーンにジーンとしました。 大人も子供も楽しめる物語。 やっぱり、シロシリーズはいいなぁ(о´∀`о)癒される。
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快紗瑠さん、最高のレビューありがとうございます。 さすがはカイさん、「見えている部分でしか物事を考えなくなってしまう」というのは自分が作品で言いたかった部分です8微塵も感じられないけどね)。 世の中の齟齬は、すべてこのような目線のちがいから生じるものですから。 そこに言及するカイさんは、素晴らしい作家さんです(ΦωΦ)

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