芝猫

小説ってやっぱり良いなあ、と改めて思わせてくれる、そんな作品でした。地の文章がいちいち心地いい。特にハッとさせられたのは『筆は重く、紙は硬い』のところ。これだけで主人公のどこか暗い心情を表現してしまうのは見事です。まるで自分が体験しているかのような錯覚さえありました。 また、翔太という脇役がとても光っていると感じました。現在、過去、そして改ざんされた(?)現在と、主人公との絡み方で物語に色を付けているように思えます。 ここからは私の勝手な解釈です。この物語のキーワードはズバリ『熱』ではないでしょうか。冒頭の『彼女の冷たくなった身体』から始まり、『熱はやはり、体にも、心にも』とたびたび温度に関する言葉が出てきます。それが締めの『その手は確かにあたたかかった』に活かされています。ただあまりそこが強調されていないので、キーワードに気がつけなければ、あっさりと終わってしまったという印象もあるのではないかと。自分なら『僕は気づかれないくらいにそっと握り返し、その確かな温もりを噛み締めている』とか最後に入れちゃうかな?好みになるのでちょっとしつこいかも知れませんね。 実力派の秋田川さんらしい素晴らしい文章を堪能させていただきました。ありがとうございました。
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わーい、芝猫さん、お久しぶりですー!(●´ω`●) ログイン率は低いけど、たまーに帰ってくるようになりました! ちょこっと修行してきた(つもりな)ので、レベルアップした小説を書いて見たいな、なんて思ってますー(●´ω`●)どうぞまたよろしくよろしくー!

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