雨宿りというのはいつだって物語を紡ぐにはとても良い題材だと思っています。 ただそれをわかっていても実際は難しい。 そんな中、今作は雨宿りのあたたかな気持ちを思い出すようなとっても素敵なお話でした。 何故「私」は彷徨っているのだろうかと、読者は冒頭からぐぐっと物語に引き込まれていきます。 「私」が何者であるのか、一緒にパズルのピースを探します。 少しずつはまっていくピース。 出来上がったパズルは、かなしいけれどすがすがしい、物語の舞台となったお菓子やさんの雰囲気とぴったり合っているような気がしました。 「私」はなぜこのお店にたどりついたのか。たくさん未練のある中でなぜこのお店だったのか。 それは色んな考え方ができると思います。 あえて私の考えていることは内緒にして、それは読むみなさんにゆだねたいと思います。 きっと、綾斗さんもそういう気持ちでそのあたりをあえて書き記さなかったのだと思うので。 とっても素敵な作品でした。
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しっとりとあたたかいコメントありがとうございます。 自分も『雨宿り』のシチュエーションはとても好きです。 雨の中を彷徨うのは本当に心細いので、雨をしのげる場所を見つけて、その先の誰かに「大丈夫?」と訊かれる……それだけでもうホッとします。 その『ホッ』をゲスト主人公である語り手の「私」に与えたかった、というのも理由のひとつです。(他にもいくつかあります) ですが二条さんのおっしゃったとおり、読んでくださった方が好きに想像してくださればな、と思います。 ありがとうございました!
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