藤白 圭

感情の採点。 それこそが愚の骨頂であることをこの物語は教えてくれる。 個々が持つ感想も感情も、各々の視点や価値観によって変わるのは当然のこと。 皆が皆、同じ感情を持つというのなら、それはロボットと同じことだと思う。 実際、自分自身。 現国のテストで「作者の気持ちを答えよ」「主人公の気持ちを答えよ」といった場合「作者に聞いたんですか?」「主人公の気持ちを先生は知っているのですか?」と書いたことがあります。 それぞれがそれぞれの感情を持つからこそ、「人間」である。 けれど、その「人間らしさ」を消し去り、自分達が思うような感情を持つモノだけが「人間」とされる世界になった理由も、これまたくだらないもの。 この物語に登場してくる、「落第者」達も。 そして、彼らを連れて行ったモノ達も。 皆が目標を持ち、前に進んでいくというオチは、重々しいテーマでありながらも、世界中の子供達に「自分は自分でいいんだ」と伝えてくれるようで、とても素敵でした。
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レビューありがとうございます(^ ^) あ、自分も「作者の気持ちを考えよ」の問題にいつも疑問を持っていて、現国の先生じゃないですけど、大学の教授とやり合ったことがあります(笑)惨敗でしたが← きちんとした主観性を持つ教育をさせないうちに、世間体といった意味での客観性という基準の分からぬもの、おろかな感情の統一をほどこすのはよくないですよね。 自分自身書いていて、いろいろと勉強になった作品でした。 オチとしては弱いかもしれませんが、テーマ性や一貫性のほうを重視してこういうラストになりました。

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