守賀透

真生麻稀哉さまの描きだす作品は、生々しく、濃密であり、それでいて雪のように繊細だ。 文字を追っているときは、ただただ真生麻稀哉さまの世界に没頭する。 そして、読み終えると、 「いったいどんなふうに、この繊細な世界を構築しているのだろう」と思う。 弦がちぎれるほどに、キリキリと限界まで弓を引く。 そんな緊張感の漂う作品群を書く真生麻稀哉さまが、どれほどご自身を追い詰めて作品を生むのか。 その答えの一端が、この設定・プロット集に書かれている。 このプロット集は、エッセイとしての一面を持っている。 エッセイを読む醍醐味のひとつは、作者の内面に触れることだ。 真生麻稀哉さまは、包み隠さず、かといって、誇張するでもなく、あるがままの心で文章を紡いでいる。 それゆえに、読み手に鮮烈な印象を与えるのだとわたしは思う。 私事ながら、このエッセイのなかで、わたしの名を取り上げていただけたことは、この上ない幸せである。
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