2017 8月12日完読 雪を知らないと書けない描写に唸りました。 下校中に、初恋(片想い)の人に遭遇……何だか大人のクリエ様には「有ったなぁ」と思わせる冒頭。 昔話から近況、そして物語の要の会話。 今は夏なのに、作品の中にそっと降る雪が脳裏に浮かぶ。 冒頭からラストまで、この物語には雪が出てくる。 好きな人と肩を並べて歩いた雪の道、一人のシーンでの雪の描写。ラストと、不思議と同じ「雪」なのに、読み手にほろ苦さと、寂しさと、力強さの別の風景を見せてくれる。 雪の降る日は、音を吸って街がひっそりと静まりかえる時がある。 物語の数行に、思わず主人公の側で息を潜めて見守っているような、奇妙な気持ちになりました。 お見事! 未読の方、爽やかで、ほろ苦くて……読了後にふと雪の中にいたような気持ちになる作品です。 是非お試しを! ご馳走さまです!
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