藤白 圭

人にとっての生き甲斐や欲望というのは、いい生活がしたい。 快楽に溺れたい。 そういったものだけではなく、「誰かに認められたい」という承認欲求というものが、他の動物に比べて大きいのではないだろうか。 この物語に登場する主人公「純子」もそうである。 プライドが高く、どこか他人を見下している彼女。 それでいて、自分の考えや価値観に対し、どこか卑屈で、誰にも分って貰えないと決めつける彼女が見つけたのが、小説投稿サイトだったわけなのだが…… 実際に、こういった小説投稿サイトを使用している読者たちにとって、彼女の一喜一憂する気持ちはリアリティがあり、納得してしまうところがあるのではないでしょうか? そして、SNS的な要素を持っているからこそ、コミュニケーションを取れる、顔も何も分からないけれど、「同じ趣味」という共通点から仲間になり、友人になる人達が多い中、もしかしたら、彼女のようにどこかしら異性への「好奇心」や「好意」を持つ人だっているのかもしれない。 そんな「リアル」で等身大の女性の心理を細やかに描いた後のラストが―――― ええ。 彼女が、ある種の「禁忌」を犯そうと……いいや、その気持ちを持った時点で彼女の純白であった心にはシミが出来てしまったのでしょう。 そう……ラストのワンピースのように。 とても素敵で骨太な文章。 堪能させて頂きました。 ありがとうございます。
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快紗瑠様 素晴らしいレビューをありがとうございました。 何度も噛み締める様に読ませて頂きました。 拙い表現にも関わらず、苦労知らずで、世間知らずの純子のキャラクターをお解り下さり嬉しいです。 快紗瑠様が他の作家さんに真摯なレビューをされているのを見てファン登録させて頂いた次第ですが、私にまでレビュー頂き光栄です。 kenjさんみたいなお褒めのコメントも嬉しいですが、本音の辛口コメントも励みになります。 今後ともよろしくお願い申し上げます。

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