【コメント】

〈ヒルコ〉

短編のなかに怖さが凝縮されています。とくに著者様の筆が冴え渡るのが、６ページの『息を切らして夜の浜を走る～』から。月が出ていたかどうかはわからないのですが、（表紙の絵も満月だし）わたしの脳内には、月が白白とした冷たい光を投げかけるなか、青白い砂浜を黒い海へ向かって、恐怖に突き動かされて走る婆の悽愴な情景が浮かび、それが徐々にズームして子の面貌がはっきりとし、さらには振り上げられた婆の手と赤子だけが大きなアップで再生されました。そして子の鳴き声の不気味さといったら。ああ怖い。ぜひ一読して一緒に震えましょう。ねこねこさんへさしでがましいわたしの意見を取り入れてくださってありがとうございますm(_)m ずっと音のない画像のなかに鳴り響く『待て』とヒルコの鳴き声は怖さの極地ですね。素晴らしい掌編をありがとうございます。 ※ネタバレありにチェック入れるのを忘れたので、一度コメントを削除し、再度書き込みました。すみません～。

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