でん(休)

冒頭がすべてだったと思うのです。 中国史上、ドラマチックさでは群を抜く血生臭い楚漢戦争を題材にしながら、作品の根底に流れつづけていたものは間違いなく純愛でした。 西楚の覇王・項羽と中国四大美女のひとり虞美人のです。 戯れる幼い彼らを描いた冒頭場面の無垢さ。 それこそが、項羽を残酷極まりないダークヒーローとならしめた理由も、戦国にあって離ればなれの二人がなぜ心折れることなく惹かれ合ったのかという拠り所をも、納得させてくれたように思うのです。 鴻門の会や四面楚歌などの史実はもちろん、作者さまのアレンジにより、ひたすら丁寧に紡がれる項羽と虞美人それぞれの生き様に胸を打たれます。 恥ずかしながら白状しますと、孔子と諸葛亮孔明をごっちゃにしてしまうほど中国史オンチな自分であります(笑) そんなヤツさえも虜にしてしまう、骨太な、それでいて繊細な『戦場に咲いた純愛花』物語です。 ぜひぜひご堪能ください。
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丁寧なレビューありがとうございます! もうね、一番読み取って頂きたかった部分を読み取ってもらえて幸せです! でんさんのおかげで項羽も浮かばれます(^-^) また歴史小説を書きたくなってきました。 あぁ、そうだ、知ってますか。『土竜の歌』の作者である高橋のぼるさんが『劉邦』ってタイトルの漫画をビッグコミック書き始めたみたいですね。ちょっとだけ読んでみましたが、かなり面白かったですよ。単行本が出たら買う予定です。でんさんも興味があれば是非(回し者じゃないですよ(^^;) いつも貴重なお時間を割いての閲覧、レビューありがとうございます。 またでんさんの作品も楽しみにしております。
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