色部耀

掌編「三本の矢」 師匠「三本の矢と言うのを知っているか?」 弟子達「知りません」 師匠「わしは長年鍛えてきたので、矢を三本まで受けても倒れることはない」 弟子「流石です師匠」 師匠「しかし、お前達はまだまだ若い。一本しか耐える事が出来ないだろう」 弟子「鍛錬を怠らず強くなります!」 師匠「うむ。しかし、お前達が強くなるまではわしがこの身で矢を受けよう。それが先人のつとめだ」 弟子「ですが師匠。師匠と言えども四本目の矢で倒れてしまわれるのでしょう? でしたら、私達が一本ずつでも受けます」 師匠「良い弟子を持った。しかし、始めに倒れるのはわしだ」 弟子「それはその時に考えましょう。時間が経てば私達も強くなっておりますので」
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