さたなきあ

 「さたなきあ」です。  本日、当方の住まいの近くの駅でーー老人が駅のホームから突き落とされるという「出来事」がありました。事故なのか、通り魔的な犯罪なのかはまだ、判りません。  作品『魍魎の匣』のなかで、作家の京極夏彦氏は、『条件さえ揃えば、人間は憎悪も損得もなしに、人を殺すことができる』と登場人物に語らせ。これを、いわば「一過性の通りものが訪れた状態」であると形容しています。  古人も、さっきまで元気であった人が首を吊るのは、「縊れ鬼」なる魔が憑いたからだ。そう解釈する話もあります。  それが「通りもの」であれ、「鬼」であれ。自他に対する一線を踏み越えるのはーー知識人たちが空疎な論議をするよりも、はるかに容易で…その境界は身近にある。  そのような「もの」に遭って難を受けるーーそんな「遭難」なしに日々を送りたいものです…

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