とうこ

あの緑の桜の下で陽さん達と出逢い私の人生は変わりました。 私を見て今声を掛けて手を差し述べないと危ないと思ったそうです。 確かに死ぬ事を考えていましたが、そんなの見掛けただけで分かるなんて、出雲には不思議な人がいるんだなと、今になって何度考えてもこうして一緒にいても理解不能です。 すべては 御衣黄桜の緑の花の導きでしょうか。 あれから相変わらず守山家で居候していて神社の裏方の仕事を手伝っています。 御幣も上手く作れるようになりました。 素人の私が作っても最後は祝詞を奏上されて神が宿りますが、それでも誰かの心の癒やしになればと思い、一本一本私なりの心を込めて作っています。 うつ病はかなりよくなって来てると思いますが、まだ守山家以外の人とは目が合わせられず話しも出来ません。 でも家に引き込っていた頃を思えば今は笑えるし、食べ物を味わって食べれます。 同じ病気の方は分かると思いますが、食欲がまるでなく食べても味が分からない時や、また食べても吐き気かするとか、ひどい時には味も分からないのに過食する時とか、まるっきり自分自身がコントロール出来ない時がありました。 過呼吸になったり、自殺しようとしたりさんざん家族に迷惑と心配をかけましたが、今はこの神社の中で心穏やかに規則正しい生活をしながら、いつかはきちんと働けるようになりたいと思い過ごしています。  今日も鎮守の森で赤い実を付けている 千両や万両に藪こうじを探して苔玉をせっせと作り、お参りに来た方に差し上げています。 冬になったら 葛や藤の弦で、リースや籠を作ろうと思っています。 

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