共感できる箇所が多々あり、切なく胸が締め付けられました。 劣等感、自己嫌悪、思い込み、すれ違い……それらが痛いほどに伝わってきます。第三者として見れば、そんな事無いよと声を掛けたくなりますが。自分が同じ状況だったら? 前しか見えなくなり、勢いでとんでもない行動に出てしまうかも知れません。離婚届や病気の報告をしないで受け入れるなど、その状況を思い浮かべれば主人公たちの気持ちも痛いくらいに分かります。ただ、相手の為を思っただけなのに…… そこへ登場した思い出の品。別れを想像させ加速するアイテムから、想いを繋ぎ留めるアイテムへと変わり、とても素晴らしい役目を果たしていました。こんなにも上手いこたつの使い方は中々見ないですね。さりげなく、それでいて重みを与える手法が使われていて、物語に深みを与えていると感じます。 そして、本当に大切な事に気付いた二人の未来は? 手を握り微笑みながら歩く姿が想像出来ました。残りの人生、苦難も笑いあって、手を取り合って進めると感じます。 ちょっとした切っ掛けをアクセントに、心が温かくなる物語。堪能させて頂きました。面白かったです!
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