青木ぬかり

 御自身が別作で解説されているように、本作は小説というよりは戯曲に近い構成になっていますね。  まさに「はじめて」……。  「書こう」と思い立った瀬田さんの原点でしょうか。  場面の雰囲気が伝わってきます。  奇手ではありますが、たしかに世の中にはセリフのみで構成された長編も存在します。  これが起点の瀬田さんが今、どのような世界を描いているのかも少しだけ拝読しました。  僭越ながら私見を述べさせていただきますと、瀬田さんはミステリに適性があるように感じられました。  しかもまだお若いのですから、若者……それも瀬田さんの実年齢よりも下の登場人物が活躍するような物語を書いてみてはいかがでしょうか。きっと登場人物がいきいきと動くと思います。  本作のレビューというよりも、作者「瀬田叶」の評になってしまいましたがお許しください。  ますますのご健筆を期待しています。

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