あーる

とても不思議な物語です。 帰省のために乗った列車で、不可思議な体験をする主人公の和樹。それにはどんな意味があるのか… 繰り返し見る。その度にどんどんリアリティが増してゆく「夢」。 向かいの席に座る謎の男と書き綴られ続ける手帳。 同じシチュエーションに時間経過さえ危うくなっていく列車の中。 まるで遊園地の『ミラーハウス』に迷い込んでしまったかのような… 出口を探しているうちに、だんだんと虚実が曖昧になっていき、足元が揺らぐ…水面に浮かべた不安定な小さな板に乗っているような感覚を覚えました。 そして、あらゆる所に潜んでいる気になる言葉たちに翻弄され、どんどん物語の世界に取り込まれて行きます。 沢山の時間を一緒に過ごし「兄弟より近い存在」という感情を抱いていた幼馴染の透。思春期を迎え、その感情の本質を認識しないまま物理的にも距離ができてしまう。諦めもあったのかもしれない。直視するのを恐れたのかもしれない。その感情を突き詰める事はせず、意識下奥深くに沈めてしまった。 母の口から聞いた久しぶりの名前に、沈めた感情が静かに揺さぶられたのかもしれませんね。 列車に揺られ、違う時間を過ごす世界の自分とリンクしてしまう。その世界では「兄弟」として暮らしている。兄弟なら、兄弟だったら…でも、実際は心からの安寧など感じられない。それは、心の奥には向き合っていない感情が眠ったままだから…夢では透さえも何かにもがいているかのように見えました。 『兄弟じゃないけど、ずっと兄弟……』 この言葉に「夢」の世界の苦さと辛さを感じます。 謎の男の手帳に記された一文…それは意識下に閉じ込めた自分からのメッセージだったのかな、と思いました。 大きな荷物を持ち使い込んだ手帳を携えるこの人物。実は実体がなく、必要な人に必要な姿で現れる存在なのかも…和樹には自分と向き合うため自分に似た姿で現れた。そして、またどこかで誰かを『幻想世界』へ誘いに車両を移って行く。なんて勝手な妄想をしてしまいました(笑) 進む線路を自らの選択で分岐した和樹。 キーとなるお土産。それを会って手渡せば、そこからどんな時間が流れ出すのだろう。 この先も分岐点はどこにでも、いくつでもある…感情を意識下に沈めてしまう事の苦さを知った和樹はどんな選択していくのでしょうね! はぁぁ…想像力や感覚を駆使して楽しめるお話。本当に面白かったです!!
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ひええええーーーーーっ! 凄まじい!! 凄まじいレビューーーっすーーーーーー! 『まるで遊園地の『ミラーハウス』に迷い込んでしまったかのような… 出口を探しているうちに、だんだんと虚実が曖昧になっていき、足元が揺らぐ…水面に浮かべた不安定な小さな板に乗っているような感覚を覚えました。 そして、あらゆる所に潜んでいる気になる言葉たちに翻弄され、どんどん物語の世界に取り込まれて行きます。』 わかりやすい表現にポイントの紹介! 感動っす!! 本当に一つ一つのエピソードや言葉を取り上げ、研究し、更に想像を思いめぐらせてくれている! もうこれはレビューというよりもレポートっすよ! 和樹本人すら認識
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お返事ありがとうございます(*゚▽゚)ノ! はい、レポート提出いたしましたww 思いの丈を伝えたくて、いつにも増して(いや、いつもと一緒かw)歯止めがきかず、熱く書き綴ってしまいました(^^;; でも実はポチッとする前に、ちょっと悩みました。 レビューとしてはネタバレ度高すぎな気がするし、個人的な読み取りと私感のオンパレード……大丈夫ですか?レビューに置いといて平気ですかね(・∀・;)ちと心配… 冒頭にネタバレ度高とか私感過多とかコメント入れようかと思ったのですが、何しろ文字数がギリギリで……(苦笑) 気になるワードに引っかかる度に読み返しつつの私なりの解釈でした(・∀・) 特に謎の男に
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お返事ありがとうございます(*゚▽゚)ノ! はい、レポート提出いたしましたww 思いの丈を伝えたくて、いつにも増して(いや、いつもと一緒かw)歯止めがきかず、熱く書き綴ってしまいました(^^;; でも実はポチッとする前に、ちょっと悩みました。 レビューとしてはネタバレ度高すぎな気がするし、個人的な読み取りと私感のオンパレード……大丈夫ですか?レビューに置いといて平気ですかね(・∀・;)ちと心配… 冒頭にネタバレ度高とか私感過多とかコメント入れようかと思ったのですが、何しろ文字数がギリギリで……(苦笑) 気になるワードに引っかかる度に読み返しつつの私なりの解釈でした(・∀・) 特に謎の男に

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