苺飴

(応援) ガタンガタンと揺れる列車の中…。 地元の友達の結婚式に出席する為、母親に頼まれた【東京ひよこ】を持って、新幹線から趣漂うローカル線に乗り換え、帰省する和樹。 そこに、何故か空いてるボックス席があるにも関わらず目の前に座った、帽子を目深にかぶり、うつむきながら黒い手帳に熱心に書き込む男…。 『横の線を、縦の境界線がスパンと切断した』(←ここ大好きです。)『トンネルだ』 『現実世界』では、ゆっくりと流れる田舎の景色と【東京ひよこ】、そして黒い手帳に熱心に書き込む目の前の男と、戻る度に特に変化のない状況が繰り返され、逆に『幻想世界』では、入る度にしっかりと時間が流れ、食事を美味しいと感じたりお風呂に入ったり、幼馴染みの透への色々な感情に翻弄されたり…。 時間の感覚が分かりにくい『現実世界』と、驚きの状況から色々な事を徐々に受け入れ、カズ自身忘れていた、心の底に秘めた感情が少しずつ炙り出されていく『幻想世界』…。 この2つの世界をいったりきたりしているうちに、何が現実か分からない、段々と渦に巻き込まれていくような不思議な感覚になっていき、そして突然終わるラスト。 『えっ…何…どうなったの…』と色々考えて(←既に入り込んでます(笑))読み返しているうちに、作中に散りばめられた数々の事柄から新たな発見があったり、また引き込まれていったり…。 短編なのに凄く中身の濃い、そして不思議な感覚になる素敵な作品ですので、是非色々な方に読んでほしいな…と思います。
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お返事を遅くなって申し訳ないです。 好きなシーンを教えてもらえて嬉しさに舞い上がっております。 『時間の感覚が分かりにくい『現実世界』と、驚きの状況から色々な事を徐々に受け入れ、カズ自身忘れていた、心の底に秘めた感情が少しずつ炙り出されていく『幻想世界』…。 この2つの世界をいったりきたりしているうちに、何が現実か分からない、段々と渦に巻き込まれていくような不思議な感覚』 こんなふうにすっかり入り込んでくれてありがとう! 中身の濃い作品って言ってもらえて、もう、大満足です(*^^*) 素敵なレビューをありがとう!
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