津蔵坂あけび

何と言えばよろしいのか、と言葉に惑いながらも。本当に素晴らしい作品に出合えたと、喜びを心から。 男の独白と、愛され/裏切られた女の独白。 それぞれの章の名は、逢魔が時を除いて、女性の名前。 男は傍から見れば、浮気性ですが、その心には癒せぬ、そこはかとない渇きが見て取れて、軽いというよりも、むしろ重苦しく哀れな印象を抱きます。 ひょっとしたら、そういう危うさが、女を狂わせているのやもしれません。 女はひとり残らず、裏切りと男を憎みながらも、尚も男を愛さずにはいられない。半分に引き裂かれるような想いを抱きながら、子を孕む。 どれもこれも物悲しく美しい。何度も手に取って読みたくなる短編でした。
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素敵なレビューありがとうございますm(*_ _)m さすがのご考察にただただ感服するばかり……たくさんの嬉しいお言葉、感謝です!
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