にゃん太郎

もしこのメンバーがもっと早くに出会っていれば。 もし家族だったなら。 読み進めていく中で何度も思いました。 人は誰もが辛い過去を持っている。 でもそれを乗り越えていけるのは、家族や友達が温かく見守ってくれるから。支えてくれるから。 でもこの作品に出てくるメンバーにはそんな温かな人も場所もない。 それぞれが絶望を抱え“最後にやりたいこと”をして自殺するという、何ともやるせない気持ちにさせられます。 そんな暗い話なのに重くはなくて。 むしろやりたいことをしている時の描写は本当に生き生きとしていて、読んでいる方も気持ちがいいくらいです。 そして静寂に包まれたラストを迎え、生きる意味を自分も問いかける事になると思います。 決して明るい話ではないですが、読み手の心に静かに訴える作品。 心が刺々しく荒れてしまった時、是非読んで欲しいと思います。

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