ちょこち△

短編集としても成り立っているホラー作品。どの物語の主人公にも基本的に澪というキャラクターが死を祝う。酌量の余地が強そうな主人公より完全に悪と思われる主人公にかならずしも重い罰を与えていないようにも見える。その読者として納得のいかないように感じる部分は逆に澪の人間としてではない感性、異常性を表している。残虐な描写はホラーにしてはあっさりしている印象。しかしいかに描写を残虐に生々しく描こうとも日本人の常識的正義で主人公に罰の内容が決定する作品が多い中、この澪というキャラクターは善悪の判断基準すらずれているようにも思え、そこに怖さを感じる。死神には人間に無慈悲。

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