あーる

焦れったくて、もどかしい。そして、切なくて、甘い……。 登場人物の葛藤や戸惑いなどに、このジャンルならではの感情を余すことなく抱くことができるお話でした。 本音と建前、本当と嘘、望みと後悔の間で細かく揺れる心情の表現がとても繊細で、読み手の心をぐっと掴み、揺さぶられます。 きっと、あの兄妹がいなければ二人が寄り添う未来はあったのかな。と思わせる、そんなクセのある登場人物もとても魅力的です。 愛情を受けること注ぐことに疎い和樹さん。だから、臆病で不器用。最初こそ、大切過ぎてこじらせた感情に戸惑っていたけれど、経験と自信を得た陸君。きっと強引にそして優しく駆け引きしながら、ゆっくりとじんわりと、『ばかりく』という愛情と甘えのこもった悪態をつく和樹さんを解かして行くのだろうと思いました。 とても素敵なお話ありがとうございました。
4件

この投稿に対するコメントはありません