あーる

声だけの繋がりから、偶然顔見知りになり、お互いの環境と内面を知ってなお強く惹かれた二人の「師匠と弟子」としての生活の始まり。その中で育つ本当の感情を認識して分かち合い、未来に思いを馳せるまでの穏やかであたたかく優しい想いが詰まった続編でした。 常に先を行き引っ張ってくれる、大人で経験も知識も豊富な麻木さん。そんな麻木さんに憧れ尊敬を抱き精進すること誓う静谷君。工房での作業風景や日常の何気ないやりとりが繊細に描かれ、静谷君にとっては雲の上の人との共同生活に沸き立つ感情と、無防備な寝姿とかお茶目な言葉に可愛いと思ってしまう静谷君に共感し、麻木さんの魅力に読み手も惹かれてしまいます。 人の気持ちや状況を察するのが得意な静谷君。そんな静谷君の能力に期待して(笑)、何度も伝わるかな、察してくれるかな、と思っているであろう麻木さんも可愛らしく思えてしまいました。 でも、恋は能力を封じてしまう力もあるのかな、なかなか察してもらえない。そして決行する告白旅行。素敵なシチュエーションでの告白を想い描いていたのに、結局男子専用個室で……(笑) こんな、麻木さんの行動を見ていたら、「願う」ということは誰かに叶えてもらうことではなく、自分で叶えるための呪文のようなものなのかな、と思いました。 飛行機の中で誰にも知られずそっと手を握り合うラストシーン。父から認められず諦めの日々を過ごしていた静谷君が、こんなにも前向きに強く明るい未来を想像し、希望に満ちている。それも隣に麻木さんがいるから。きっと出逢うべくして出逢った二人なのでしょうね。 お互いがお互いを高め合える最高のパートナーを得た二人の手で作り上げられた家具たちは、きっと使う人を、あたたかく優しく癒してくれるものになるのだろうなと思いました。 疲れた心をほんわり癒してくれる素敵なお話をありがとうございました。
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あーるさん素敵なレビューをありがとうございます! 「穏やかであたたかく優しい想いが詰まった続編」 おお! 嬉しいです!  続編って難しいんですよね。ひとつお話を完結させた時、作者としては「この先は読者様の想像に委ねます」となるわけです。でも今回のお話の場合は1の終わり方がアレだったので(アレってなにw)作者としても二人のその後を気にかけていました。なので続編を描くのはとても楽しかったです。麻木さんは麻木さんらしく、静谷君は静谷君らしく、そして読者様にもっと二人の内面に近づいて同居生活を楽しんで読んで欲しかった。 なので静谷君を通して、麻木さんに魅力を感じてもらえたのがとても嬉しかったです^
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