完走いたしましたので簡単ですがレビュー失礼いたします。 まず、明日乃さんらしい読み易く、無駄の無い文章でスムーズに物語りは進んでいきます。 最近、以前より描写が増えていると感じられるのは、編集者の方の要望に沿っているのでしょうか。 長編ですが途中、緩急があり盛り上がりも用意されて飽きさせません。 私の感じたイメージはハリウッド映画でしょうか、随所に印象的な断片がちりばめられています。 それは、私が映画好きな所為もあるのでしょうけれども、きっと映画好きな読者には映像が脳内で再生される事でしょう。 例えば、腹の出た所長。ハリウッド映画の警察署長の定番でしたね。必ずといっていい程、最初は主人公に非協力的で、しかし途中から頼れる存在になります。 そしておちゃらけたサブキャラ、これも定番。 無口でわが道をゆく、馴染み辛いが頼りになるワイルドな男。 これらの人物たちに人間らしいバックボーンを与えています。 そして最も重要な敵対者。そのかわり身の早さと狡猾さは悪役らしく憎たらしくなります。 権力者たちの小物感。いずれをとってもしっかりとドラマしています。 主題は、高度に発達したアンドロイドの開放。これをアメリカの公民権運動になぞって描かれている様に感じました。 最後の演説でアンジュが告白していますが、作家様は多分、キング牧師の有名な演説を参考にしているのでしょう。 そして、演出はチャップリンの独裁者のラストを想起させます。ラジオから聞こえる独裁者の訴えかける言葉が、独裁者と入れ替わった床屋のチャーリーの言葉へと変わってゆく有名なシーン。これには派生が多く、ドラマの定番となっていますよね。 現在、明日乃さんにとって重要なテーマであろう、人間とは何か、人間の未来はどうあるべきなのか。そのたどり着く先は人間が神の領域に踏み込む事ではないか。人間が作り出すものにどれ程の違いがあるというのか。そんな問い掛けに感じました。 最後まで楽しめました。ありがとうございました。
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レビュー、ありがとうございます。(#^.^#) 今作とオーヴァルの森は、アニメイベント用に手を加えました。それでなくても未来を描くSFは、読者も世界がどう変わっているのか分かりにくいと思うので、背景描写を増やしたつもりです。マンガやアニメの情報量に比べたら、まだまだ足りないと思っています。が、だからといって映像的にあれこれ説明書きを加えると読みにくくなるので、自分なりにギリギリのラインを模索している所です。 自分が伝えたいこと、たとえば戦争であったり、少子化であったり、人種や民族、個性といった問題であったり、核のゴミの問題であったり・・・、そうしたことを前面に出すと評論のようになってしまう
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おつかれさまです。 映像が思い浮かぶのは重要ですよね。 それも、小説の場合映像を提供するのではなくて、想起させる点が難しくもあり楽しさであもあります。 私の作品は、ロボットと聞いて、おもちゃや子供(大きいお友達も)に夢を与える方向であのような形になりましたが、根底に流れる人間とテクノロジーの未来という点では最終的に、人間との係わりに帰結して当然と思います。読者も人間ですからね。 これからも期待していますよ~( ;´・ω・`)人(´・ω・`; )
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