エブリスタ
さがす
本棚
通知
メニュー
コメント
凍てつく土に一粒の麦は落ちて
伽野せり
2018/6/10 22:14
非常に上質で、硬質なM/M小説でした。 作者様の想いがあふれた素敵なお話です。 舞台背景がしっかりと練りこまれ、設定もすばらしく、細かく描写されていました。 読み始めればすぐに、その世界に引きこまれ、最後まで主人公たちの行く末が気になって仕方がなくなります。 エルンストはとても真面目で頭が固く(失礼!)、そんな彼がひとりの純真な青年と出会い、少しずつ愛を知って変わっていく様子が丁寧に綴られていて、危機にハラハラさせらりたり、進展しないふたりの中にヤキモキしたり。それでもふたりの距離が縮まっていくたびに、読んでいるこちらの心も満たされていきました。 海外の作品を思わせる繊細な文章は、作者様ならではだと思います。 エルンストの皮肉のきいた会話にもクスリとさせられ、物語と共に、文章を読む楽しさも味わえました。エンドに辿り着いたときは、深い満足感と、同時に『ああ、終わってしまったのね』という喪失感も覚えてしまう、完成度の高いお話です。 ふたりの幸せを願わずにはいられないハッピーエンドも、とても素敵でした。 楽しい読書のひとときを、本当にありがとうございました!
いいね
・
2件
コメント
・1件
めん ちょこ
2018/6/11 0:15
せり様、 身に余るレビューをありがとうございます。硬質なM/Mと評していただき、私に取りましては思いもかけないほどのご褒美です。 せり様がこのお話を楽しんでくださったと知って、嬉しくまた泣きたくなるような気持ちになりました。 長年自分が妄想したお話を面白いと感じてくださる方がいる、それは妄想主にとってはまさに至福です。同時に、執筆に時間をかけず十分に推敲してない稚拙な文であの世界を届けてしまったことを悔やんで悲しくなります。あの世界をもっと堪能して貰える方法があったのではないかと。 全ては自分の力不足・努力不足ゆえの苦しみです。 苦しかったですが、書かずにいられないものでした。こうしてせり様の
いいね
・
1件
コメント
前へ
/
1ページ
1件
次へ
伽野せり