清瀬 美月

持て余したような感情を抱え深く深く沈んでいく様子に、無彩色な世界を思い描きました。 青とあるのですが、水墨のように、白から黒へと変わるグラデーションの中を漂っているように思えたのです。 余白がとても効果的で、ぽつんと置かれた会話文に何があったのか想像力が働きます。 『自分から行かねば、そうは思いつつも。』 この一文に葛藤がより濃く隠されているようで切なくなりました。 誰も見つけてはくれない、気付いてもらえないという孤独の痛み。 充満した寂しさの中にも、仄灯り。 果たして、それは彼にとって希望だったのでしょうか。 もしそうであれば結末は余りにも悲しくて。 ここでふっと、雨の匂いに嗅覚が反応し、仄灯りの文字から温もりすら感じるんですよね。 相反する感覚が逆に痛ましく、胸を突きました。 くーちゃん、今回もまたご一緒出来てとても嬉しかったです。 くーちゃんは皆勤賞さんですね。 今回も素敵な作品をありがとうございました。 心からの感謝を込めて。
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