うりぴぃ

「アーサー王伝説って読んだことある?どんな話か教えて」 私の極めて親しい人物からこんなことを訊かれました。 アーサー王伝説に興味を持ったのは、大好きな漫画がアーサー王伝説の前日譚という設定だからとのこと。 「読んだことない。西欧中世の騎士道物語ってことしか知らない。でも”ドラクエ”とか”ファイナルファンタジー”とかみんな元ネタはアーサー王らしいよね。読んでみたら、面白いと思うよ」と無責任に答えておきました。 数日後、「アーサー王伝説読んでみた?」と今度は私から訊いてみると、 「図書館で簡単に読めそうなのを数冊借りてみたけれど、退屈で読み進められない」との答えが返ってきました。 なんだ、アーサー王つまらないのか。 いや、そんなはずはないと思うのだけど、有名な古典物語なんて大概はとっつきにくいもの。基礎知識がないと難しいだろうな……。 超簡単に分かる解説本とか探してみようかと思っていたところ、見つけたのがこの作品でした。 著者コメントによると、この小説を読めばアーサー王について網羅して学べるらしい、まさに渡りに船です。 伝説の概要を知りたくて、ストーリーには期待せず読み始めました。 ところが、巧みな構成と個性豊かな登場人物に、すぐに物語に引き込まれてしまいました。 『ルパン3世』を想わせる痛快なサスペンスと笑い、『ダヴィンチコード』のような歴史ミステリー、リアリティーあふれるマインドコントロールの手法とか、英国観光案内……と盛り沢山で楽しめます。 随所で登場人物が語るアーサー王伝説の研究史は、この伝説についてある程度の知識がある人なら、ふん、ふんと頷きながら読めるのでしょうが、 知識ゼロの私には、カタカナの羅列に目が視ることを拒否します。 そもそも、アーサー王伝説について手っ取り早く知りたくて読み始めたはずなのに、新生円卓の騎士団の行方を追いかけるのに夢中になってしまっている。 これではいけないと、自らを叱咤しながら研究史概説部分になんとか斜めに目を通しました。 おかげで、なんとなくアーサー王伝説に詳しくなったような錯覚に満足しつつ、読み進めていくと、後半の意外な展開に驚きの連続です。 これ以上の感想はネタバレになるからここで言及できないのが残念。 アーサー王伝説が好きな人はもちろん、全く知らない人でも楽しめるお勧め作品です。
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まずはこのとっつきにくい作品をお読みいただき、また長文のご感想までいただけて、まことにありがとうございます m(_ _)m☆ なるほど。そんなきっかけだったのですね。 お友達の読んだのはマロリーの『アーサー王の死』かな? アーサー王伝説…と一言に言っても、物語もあれば口頭伝承もあり、史実と思しきこともあったり、また作者によって物語のストーリーもまちまちです。 「一つのお話」だと思って調べた方はそこにまずつまずかれるかもしれません。 また「すぐに決闘で解決したがる」など、騎士ってちょっとおバカなので、そんな現代との価値観の違いもつまらなく感じる要素かも。 ですが、伝説を追っていくと多岐に渡る
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返信ありがとうございます。 とりとめのないレヴューですみません(^_^;)  ネタバレになるので書けなかった感想をもう少しだけ付け加えさせて下さい。 ラストで推理されるエクスカリバーと製鉄技術集団との関連に、おおっーと思ったのですが……。 日本神話のヤマタノオロチは古代の製鉄技術を象徴するものだという説がありますよね。 だとすると、アーサー王はスサノオノミコトに、エクスカリバーはアメノムラクモノツルギに準えることもできますね。 ちょっとワクワクします。 あと、クーデンホーフ捜査官は、クーデンホーフ・光子さんの子孫いう裏設定とかありますでしょうか? 極めて個人的なこだわりで、恐縮ですが、ク
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