尾瀬月都

ミステリー、特にパズラーの世界は袋小路に入ってしまっている。 トリックは出しつくされ、既存のトリックの変容、応用を使いまわすより仕方ない状況である。 四半世紀ほど前に遡れば、綾辻行人らの新本格派が現れたり、鬼才、連城三紀彦がミステリーのトリックを恋愛小説に応用したりしたけれども、やはり先行きは明るいとは言えない。 現代の日本においては、本格刑事物か、ハードボイルドばかりが横行し、似たり寄ったりの作品が軒を連ねている。 そこでこの作品である。 探偵物、しかも大正時代の探偵物である。うれしいではないか。 本格推理物の風味を残しながら、随所にタンテイ物のパロディが散りばめてある。 たとえば、主人公の助手、千鶴は明智小五郎の妻、明智文代を思い起こさせる。 どこがどうとはあえて言わないが笑 この作品の根底にあるのは作者の探偵小説に対する尊敬の念、そしてその作者に対する畏敬の念である。 この作品を荒唐無稽という向きもあろう。ばかばかしいと一笑に付す人もいるだろう。 だが、そんな狭量な世の中ならいっそ爆発してしまえばいい。 驚くべきことに作者は高校生だという。 日本の未来は明るい。
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うわ、うれしい、ありがとうございます!朝起きてびっくりしました!これからもお頑張ります!
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喜んでいただいて良かったです! 作品自体はすごく素晴らしいなと思いながら拝見しましたが、出す賞はあれではない方がいいかもしれません。スポンサーが保守系の新聞社なので。 政治的な要素が混じっているため、作品の良し悪しに関わらず、二次、三次あたりで弾かれるのではないかと心配しています。杞憂かもしれませんが、ご一考ください。
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