織田崇滉

面白かったです。 短い文章の中に、嗜好の転換を端的に書かれていて、読みながら芥川龍之介の『芋粥』を思い出しました。 『とてつもなく好きだったものが、あるときを境に嫌いになってしまう』 主人公は夜も眠れないほどパジャマが好きだったのに、あるときを境に嫌いになってしまう。 かと思えば、次に好きになったスーツが嫌いになり、またパジャマへ出戻りする……。 ふとしたきっかけで好悪が逆転するという、人間心理の妙を巧みに突いていると感じました。 ただ惜しむらくは、短すぎることでしょうか。 現状では主人公の嗜好を書き綴っただけにすぎず、文章もダイジェストというか、設定を書いただけのような印象を受けました。 そこからさらに踏み込んで、『好悪の逆転』が何らかのトラブルをもたらしたり、主人公の人生に一石を投じる成長へつながったりすれば、本作を応募した『眠る』妄想コンテストでも上位に食い込めたと感じました。
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織田さん 詳細に読んでいただき、ありがとうございます! とてもしっかりとした評論をいただき、嬉しいです。 4コマ漫画くらいの軽さの話をかければと思い書いたものだったので、 おっしゃる通り、かなりプロット的というか、それだけの作品になってしまったかもしれません。 いただいた意見を参考に、次回作以降深掘りするものも書いてみますね! よろしくお願いいたします。
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こちらこそ、楽しい読書体験をありがとうございました。 人間心理はあっさり心変わりするものだ、という軽薄さを端的に書けていると思いました。 後半の評文は個人的な印象なので、そういう見方もあるのか程度の認識でいて下されば……差し出がましい物言いになってしまっていたら申し訳ございません。

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