空松かじき

 突如現れた未来からきた記憶喪失の少女型ロボット。どこか親近感のあるキャラクターとタイトルにつられて読ませていただいた。  ひと夏の青春物語。こんなフレーズが頭に浮かぶ。しかしながら話が進むにつれて、シリアスな展開に。少女型ロボットの目的には意外性があり、おもしろい着眼点だと感じた。  心に響いたセリフとして、294ページの「人の命より文化財のほうが大事だなんておかしい。だって、人間が絶滅したら、文化財なんかなんの意味もないもん。未来に命をつなぐことは大事だよ」を挙げる。昨今の頻発する災害を見ていると、そのとおりだ、と思わされた。  あとがきを読んで、そういう事情があったのか、と納得した。
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レビュー、ありがとうございました。 お察しのとおり、エミルの設定につきましては、メイ子の影響をかなり受けています。もろコピーといってもいいほど。斑鳩というキーワードまでも。 もともと、ストーリーの構成として「最初はおちゃらけコメディにしてやがてシリアスになっていく」というのは決めていました。そこで考えていたら、もうメイ子にしかならなくなってしまいました。 そういう意味で、もしメイ子がいなかったら、この小説はもっと違ったものになったかもしれません。 文化財よりも人間を守ってこそ、というのは、現代物にすると決めて構想を始めたわりと早い時期から考えていて、そのほうが絶対に心に響くはずですから、そ

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