岩永和駿

苦手なレビューをしてみたくなる作品です。 気色悪さ、救いのなさが身に沁みる作品。 二方向から攻め立てられるダークな読後感がホラーの王道です。 まずもって、ガマ男が不気味。 外見的なものだけでなく、相手を変性させて独占しようとするにあたって、まったく相手に対する共感がない。自分の都合だけ。特殊な動作等の描写がなく淡々としているところがリアルで却って嫌悪感を掻き立てる。その嫌悪感が一周回ってどこか哀れみを感じさせるところがあるのも恐ろしい。 一方、主人公は自分の偽善に言及する。これは同じような立場ならば誰もがしそうなこと。それによって最後に主人公が言う「もうすぐ変性は完成します。」というセリフが、どこまでもやるせなく迫ってくる。 生理的嫌悪感をテーマにしているようで、実際は登場人物の心理が怖いホラーのように感じました。
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岩永さん この度は作品を読んで下さっただけでなく、星5つのレビューまで寄せて下さり、ありがとうございます。本作を上回る上質なレビュー、そして解説に恐縮し、大感激しております。 霊的な作品は最初から匙を投げておりましたので(笑)、描くなら感情や感覚に訴え、救いのないホラーをと、決めておりました。 ご存知の通り、元はカイダンク「変性」からでしたが、たった31文字の句をどうやって短編小説として成り立たせるかを考えた時、ガマ男というキャラクターが浮かび上がりました。モデルは……高校時代、ファミレスでバイトしてた時の常連さんです。「コーヒーおじさん」と呼ばれていました。見た目はまったく違いますし、
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喜んでいただけたなら嬉しいです♪ 私はとにかくレビューが苦手で、過去何度か書きかけてやめたことがありました。書評とかには向きませんね(;^ω^) こちらはカイダンクの『変性』も意識してということからやりやすかったのかもしれません。 個人的にはホラーの王道は、恐怖だけでなく悲劇の要素があるものと考えています。これはモダンホラーの帝王、スティーブン・キングが言っていたことです。 この作品には主人公の悲劇はもちろん、そこまで壊れ切ったガマ男の悲劇も垣間見られるような気がしました。 そしてやっぱりそれを淡々の描くところに凄みがあります。 印象的な作品でした!
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