尾多悠

やんちゃで手のかかる子に贈られたお人形「みみちゃん」。 次第に我が子ではなく、人形であるはずのみみちゃんに執心するようになる母親。 人形は玩具。けれどそれ以上のものであるかのように母親はみみちゃんを扱う。 そして子も母親の異変を鋭敏に察知していて……。 母娘の間での感情の変化が非常に分かりやすく描かれています。 読んでいてその後の展開がどうなるのか、ホラーの先入観もあり怖くて非常にはらはらしました。 オチは是非読んで確かめて頂きたいです。 ホラーではあるのですが、私はどこか不思議な温かみも感じてしまいました。 読み手の感性に訴えかける作品だと思います。
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尾多さん、お読みいただけて、レビューまでいただけて、本当に嬉しいです。ありがとうございます。 子供を育てていると時々、奇妙な心の動きを感じることがあります。 自分ではないような感じ、だけど確かに自分なのです。今まで感じなかったことを感じたり、思わなかったことを思うようになったり。 心の変化に自分自身びっくりします。 そのびっくりは、ホラーに通じるものがあると思います。 なかなか人間は変われないものですが、凝り固まった母親の心を、いとも簡単に変えられるパワーを、子どもは持っていると思うのです。
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