あーる

ぶっきらぼうだけど優しくピュアな、海と自然を愛する主人公 充のキャラが際立つお話でしたね。 住む世界の違う二人を『人魚姫』の話と重ねることで、充の感性の純粋さや結末憂う様子に優しさが感じられ、そして自然に対して敬意を払い自分の仕事に誇りを持っているのも伝わってきました。 そんな充が出会った、普段なら相まみえることのない人種。土地開発を目的に山の売り渡し交渉に来た「スーツ野郎」こと慧w いい匂いを振りまき、スマートな営業スマイルとトークで充に纏わる彼。 自分の周りにはいないタイプ、雰囲気。そして案外芯の強い慧をいつの間にか気にかけているのに、素直にはなれない充の不器用さが好ましく感じました。 自然の中で暮らし、海の恵みで生計を立てている充の彼らしい感性。東京からやってきて常にスーツ、洗練され思いのほか筋の通った慧の弱り横たわる姿を、女神、人魚に例え、ある意味神聖な気持ちを抱きながら、しかしそれを自分のものにしてしまいたいという人間的な欲。この敬虔の念と昂る欲の絡み合った感情で情を交わす場面。とても充らしいと感じました。 海に逃げ出さないようにと抱きしめたり、ブロポーズな言葉も、自分では否定していけど、結構ロマンティックな王子なんじゃない?なんて思いますw 悲しい結末だった『人魚姫』も、充の中では幸せな結末に塗り替えられたのかな。 きっと慧も、充のぶっきらぼうさの裏の純粋さや優しさにとっくに気づいていたのでしょうね。だから交渉も持ち出さずにいたのかなぁ。と……身を委ねた後、沖から見る景色に充の感性に近いものを抱いたのかもしれません。 その後、あの漁船でふたりきり漁に出ることになるのでしょうかw でも、充は慧に日焼けなんてさせたくなさそうですよね。なんてたって色白でツルツルのお嫁さんですから! 立場の真逆なふたりが求めるものを分かち合うような……不思議な縁を感じられる物語でした。
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あーるさんいつも応援ありがとうございます! そして素敵なレビューをありがとうございます! (∩´∀`)∩ 「慧の弱り横たわる姿を、女神、人魚に例え、ある意味神聖な気持ちを抱きながら、しかしそれを自分のものにしてしまいたいという人間的な欲。この敬虔の念と昂る欲の絡み合った感情で情を交わす場面。とても充らしいと感じました。」 嬉しい! このシーン、下手したらただの「ケダモノ」になっちゃうじゃないですか(笑) 弱ってぐったりしてるところを、いくら相手が美人だからって襲うとかダメでしょ! とツッコミ入れられてしまうかなと。(グイグイ強引も好きなんですけどねw)なので充の内面を読者様にしっかり理解し
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