紗真

公式イベントの結果発表から来ました。 島も海も実際に行った事は一度もないのに、巧みな情景描写のおかげで砂浜も夜の海も目の前に浮かぶようでした。 中途半端な状態に置かれた主人公と美しい少年というありきたりでありながら誰もが惹かれるテーマの中に、誰も予想だにしないような要素が詰めこまれていて、ユキの過去のシーンは特に心を締めつけられながら読みました。リスカでも殴打でもなく、肉体的な痛みと共に純真なユキの精神まで削ぐような刺青、彫るだけに終わらず晒し者にされ、更には除け者にまでされ━━。大人の都合に左右されるユキがただの可哀想な子ではなくひたむきでいい子なのが余計に切なくて、途中で読むのをやめようかとまで思いました。 一旦は沈みかけたユキの志しを再び光の下へ引き上げる元木と二人を取り巻く環境の変化に胸が熱くなりました。遠泳大会完泳という当初の目標達成後も、刺青やメダルまでは及ばなかった技能など負の要素と思われたものが意味を持ち、新たな場所での結末を迎えるに至るまでが大変鮮やかに描かれていて、最後まで楽しめました。 時に儚くも時に激しい、けれどひたすらに美しい、まさしく海のようなお話でした。長文失礼致しました。
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紗真さま 本作にとても素敵なレビューをくださり、ありがとうございます! そして、お礼が遅くなり申し訳ございません。 この作品は昨年夏の妄コンに出そうとしていたのを文字数超過で断念し寝かせていたものでした。 今回のイベントも終了近くになって急に書きかけのこの作品を思い出し、急きょリメイクして挑戦しました。 ユキのつらい過去は、子供の一時保護に関わっている人から話を聞く機会があり、創作しました。実際には刺青などしている子はいないのですが、ユキの過去を知った元木のように現実の子供たちのつらい境遇に心が痛み、少しでも未来に希望が持てる展開にしようと思いました。その部分を汲み取ってくださって、とても
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