秋野きつ

「化して生くる者の戻らざるや如何に〈明治妖狐譚〉」第4話公開&帯文  第4話「赤煉瓦倉庫にて、斬られた首を拾う」公開しました。  さらに、下記のとおり、帯風(おびふう)の紹介文を書いてみましたので、合わせて御覧ください。ちと堅めですかね。本編は、もちっと緩いので御心配なく。  時は明治、場所は江戸、いやさ東京。  いまだ人心安(じんしんやす)らかならぬ明治3年、維新前から陰陽頭(おんようのかみ)を務めていた第31代土御門家当主、土御門晴雄が前年に死去したことを契機に、長く続いた陰陽寮が解体と相成(あいな)った。同年中に天社神道禁止の布告がなされ、公(おおやけ)の職業としての陰陽師は、その存在を否定されるに至ったのである。  文明開化の明るい日差しが、古来よりの風習や信仰を、迷信として暴きたて追い立てる様は、痛快にして悲哀に満ちたものといえよう。  しかし、陰は陽より生ずること変わらず、日差しの底では、強烈な光を浴びて生じた化生の者が、怒号と悲鳴をないまぜにして、新時代の裏側を這いずり回っていた。  この物語は、新旧、陰陽、科学と迷信、和と洋、様々なものが、交じり合い、反目しあう、明治という狭間の時代を生きた、青年と少女の幻想譚(げんそうたん)である。

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