『へびおとこ』のヒーローの、『へびおとこ』では描かれなかった等身大の苦悩と葛藤、愛と青春が活き活きと描かれる。大人になって振り返れば、誰の若い頃にもある、過剰な自意識に振り回された日々。その痛みや苦しみを赤裸々に描きながら、とりおさんの筆は、ときにユーモラスで、優しく明るくすべてを包み込むよう。良くも悪くも大人のファンタジーなのだけれど、けんすけの恋模様に読者もニヤニヤしたり、やきもきしたり、涙をこらえたりしながら、これ以外ないラストにきっと満足するはず。この作品を読んでいる時間は、自分の青春をもう一度生き直すかのようだった(いや、こんなに俺はモテんかったけど)。若い人にこそ読んで欲しい、自信をもっておすすめできる傑作。
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素敵なレビューをありがとうございます。 健介は大変恐縮して恥ずかしがっております!
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